今回は「適用運賃の方向」についての説明です。今現在は旅程が決まったらGDSで航空券を自動発券するので目にする機会は少ないと思いますが、とても重要な項目です。今回も例を用いながら進めていきます。
適用運賃は、フェアコンポーネント単位で決定し、運賃の方向は原則として旅行と同じ方向で運賃が適用されます。ただし、旅行開始国の都市に戻るフェアコンポーネントは、旅行の方向と逆方向の運賃が適用されます。
片道旅行
旅行の方向はTYO発SEL経由のBKK行の片道旅行で、上記の青い矢印のとおりとなります。運賃の方向はTYO発BKK行の運賃となり、緑の矢印のとおりとなります。よって、旅行と適用運賃の方向は同じ向きの矢印になります。
往復旅行または周回旅行
往復旅行、または周回旅行の場合は矢印の向きは上記のとおりです。例はTYO発SFO経由LAX行でTYOに戻ってくる旅程で、旅行は上記のように一方向になっています。では、運賃の方向はというとTYO発LAX行の矢印が1つ、そして出発地と同じ都市に戻るのでTYO発LAX行と矢印が逆になっています。これが、最初に説明した「 旅行開始国の都市に戻るフェアコンポーネントは、旅行の方向と逆方向の運賃が適用されます 」に該当するのです。
オープンジョー(サーフィス区間は運賃計算に含めない)
次はオープンジョーでサーフィス区間があり運賃計算に含めない場合です。まず旅行はTYOを出発してCPHに行き、CPHからOSLはサーフィス区間、OSLからTYOに戻ってくる旅程です。旅行の矢印は旅行をする順番の一方向に並んでいます。サーフィス区間というのは空路以外の移動手段のことでしたね。例えば車、電車などでの移動になります。運賃の方向は、TYOからCPH行の運賃として旅行と同じ方向の矢印が1つ、そして出発地と同じ都市に戻ってくるのでTYOからOSL行として逆の矢印となります。
また、この例はサーフィス区間を運賃計算に含めないので、矢印はCPHまでとOSLまでとなります。
では、ここからはいろいろな旅程の例を5つほど紹介していきます。
例1
出発国に戻らない片道旅行(OW)のため、運賃の方向は旅行の方向と同じです
例2
出発地点に戻る往復旅行(RT)のため、復路のフェアコンポーネントの運賃の方向は、旅行開始国からの方向となります
例3
出発地点に戻る周回旅行(CT)のため、最後のフェアコンポーネントの運賃の方向は、旅行開始国からの方向になります
例4
出発国に戻るオープンジョー旅行(OJ)のため、復路のフェアコンポーネントの運賃の方向は、旅行開始国からの方向になります
例5
全旅程をマイレージ計算すると25Mをこえてしまうため、PUS-MNL-SELを別旅行として計算します
・PUSとSELは同一国であり、出発国に戻るオープンジョー旅行(OJ)のため、復路のフェアコンポーネントの運賃の方向は、旅行開始国からの方向
・韓国からマニラに行く旅程を除き、メインの旅行は片道旅行(OW)のため、旅行方向と同じ
運賃計算をするにあたって運賃の方向は大事な基本です。しっかりと覚えておいてください。
今回のまとめ
適用運賃の方向は原則旅行と同じ方向である
旅行開始国の都市に戻る場合は、旅行の方向と逆方向の運賃が適用される
この記事を書いた人:
浜田(編集部/商品販売グループ)