編集長の関本です。
GoToトラベルの後継となる国内旅行の割引がもうすぐ始まりそうですが、個人的にはそろそろ海外に行きたいな、と考えています。
引っかかるのは帰国前の現地での検査ですが、2泊か3泊の短い旅行で、現地についてまずすることがPCR検査というのは、どうにも不思議な感じがします。そこで陽性だったら、原因は絶対、日本出発前だろう、って。
それはさておき、海外旅行気分が高まるのに合わせてか、長らくお休みしていた各社の路線も、徐々に復活してきているようです。今回は、最近の航空ニュースから、コラム的にいくつか傾向を取り出してみます。
この記事では、(半分個人的に集めた)各種情報から、今後の見通しなどについて触れています。
内容は全て、個人的な見解によるものです。
アメリカとヨーロッパの回復
ニュースを見ていると、アメリカではわりと早い段階で、続いてヨーロッパでも、マスク着用義務が撤廃され、移動の制限がなくなり、ほぼコロナ以前のような雰囲気を取り戻しつつあります。
ぼくの知り合いで最近、マルタに半年ほど滞在して勉強するんだと旅立った人がいますが、話を聞く限り、ほとんどコロナの影響は感じない様子。夏を前に、待ちに待ったバカンスシーズンはもうすぐということで、航空会社は大忙しのようです。
ただ、大規模に人員整理をした影響で、便を飛ばしたくても乗務員が足りないという現象が起きているらしく、別の知り合いは「予約していたフライトが、出発直前にキャンセルになった」と。やり繰りができなかったんですね。
コロナ禍で、欧米の航空会社がどんな状況に陥ったかは、財務省がコンパクトにまとめているので、ご参照ください。今となっては、もう懐かしい話ではありますが。
コラム 海外経済の潮流 『コロナ禍での航空業界とその後』(2020年9月)
さて、現在は各社、売り上げ見通しを上方修正しています。今月、ブルームバーグにそんな記事が載りました。
アメリカン航空、4-6月の売上高見通し引き上げ-旅行需要回復で(2022年6月3日)
アメリカン航空の売り上げが非常に好調だという話です。
ただ、ここで注意しなければいけないのは、旅客数ではなく売上高を見ている、ということ。記事内にも言及がありますが、このところ、原油価格がかなり動いており、燃油サーチャージを含む売り上げの総額は、当然に上昇します。
ところが、燃油調達などコストとしてかかってくるところも連動して上がるわけですから、手元に残る利益はさほど増えていない可能性があります。ニュースで航空会社の売り上げを論じた場合には、注意して見ましょう、というお話。有償旅客数とか、旅客の移動距離などの指標を用いると、実際の動きが見えてくるかもしれません。
日本はどうなるのか?
敢えてリンクは載せませんが、日本航空、全日本空輸とも、国際線は復便傾向にあります。JALグループで言うと、LCCのジップエアがサンノゼ路線を新規開設というニュースも流れました。
仕事で海外の工場や取引先を回らなければならない方からすると、かなりハードルが低くなってよかったな、という感じでしょうが、観光需要の回復に水を差すのが、やはり燃油ではないかという気がしています。
ここで日系2社の燃油を見てみましょう。
本稿執筆時点でJALの8月からの金額は出ていませんが、概ねANAと同じような動きをしています。
そのANAを見ますと、ヨーロッパ往復の場合、4・5月は39,800円でした。6・7月は(もし今行くと)74,800円に上がっています。更に8・9月は98,000円。これ、もう運賃とほとんど同額ですよ。
というわけで、ぼくの個人的な予想としては、燃油が落ち着かない限り、まわりの人もまだ海外に出かけてないし、ということで、個人旅行需要は低調な状態がしばらく続くのではないか、という気がしています。
一方で、欧米からの観光客は、円安の影響もあって日本に来たい需要が相当あるように思われます。
マスクをしてくれない外国人にどう対応するか、みたいな心配事もあり、直ちにインバウンド解禁とはいかないでしょうが、早く国際航空の世界がコロナ前の活況を取り戻すことを願っています。
少しずつ明るい兆しは増えてきましたが、各航空会社・旅行会社の皆様は、コロナ禍を乗り切るために業務の規模を縮小されたところも多いのではないかと思います。
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それではまた。
この記事を書いた人:
関本(編集長)