OFC営業部商品販売グループの要田です。
いつかこの日が来るとは思っていましたが、ついに自分が定年を迎えることになりました。
約40年近い社会人生活を振り返ってみると様々なことが走馬灯のようによみがえってきます。先日、家を整理していたところ、入社当時のトラベルジャーナル紙が出てきました。そこには主要旅行会社の新入社員紹介があり、自分の欄の入社してやりたいことの質問に「人生再発見の旅を提供したい」など、大きなことを言っていました。果たしてできたのかどうか…。
社会人になったのは1985年で社歴は旅行会社とOFCが半々くらいとなっています。 旅行会社では、カウンター販売から始まり、添乗や法人営業、ツアー企画、ホールセール営業と多岐にわたり経験させていただきました。学生時代から鉄道やオートバイなどで日本中を回っていたこともあり、旅行はとてもやりがいのある仕事でした。勿論、全て良いものでもありません。特にトラブルは記憶に残りました。
―ヨーロッパ添乗の大ピンチ
その中でもヨーロッパ添乗の大ピンチは忘れられません。確か入社3年目だったと思いますが、初めてのヨーロッパ添乗（そもそも海外添乗3回目です）で、翌日の航空移動がトラブル（予約が取れていなかった…）のため急遽、夜行バスに切り替えなければならないことがありました。
それだけでも大変なのに途中、査証が必要な国を査証なしで通過しなければならず、深夜1時頃、国境のイミグレ審査官と「査証を発行してくれ」、「ダメだ」を何度も繰り返し、1時間くらいしたところで、これはもうだめだと思い、その場で座り込み、日本語で「ビザをください！」と大声で土下座をしました。すると、思いが通じたのか、諦めたのかわかりませんが、その場で査証を発行してくれました。どうにもならないと思った時、一瞬、お客さまを置き去りにして1人で逃げてしまおうと考えたことも事実です。（相当、追い詰められていました）振り返ってもよく1人で乗り切ったと思いました。（お客さまには大変ご迷惑をおかけしてしまいましたが…）
―思い出のツアー
良い思い出としては、学生時代にボランティアで交流があった知的障がい者の方々をハワイにお連れしたことです。以前から「みんなでハワイに行きたいね」と言っていたのですが、私が旅行会社に入社したことで、実現に向けて話が進んでいきました。しかし、当時、知的障がい者団体の実績が無かったのか、米国の査証（当時は査証が必要でした）の発給がすんなりいかず、県の障がい者センター担当者や主治医の協力のもと米国大使館と交渉を重ね、何とか査証を発行してもらうことができ、みんなでハワイに行くことができました。この旅行を通じて知的障がい者についても更に理解を深めることができました。振り返っても一番やりがいがあったツアーとなりました。
―OFCでの思い出
OFCでは、2001年10月に入社しOFCタリフ、JALシティガイドマップ、JALカレンダー、OAGなどの商品の販売をさせていただきました。入社の前月(9月)は、アメリカ同時多発テロの事件が起こり、業界全体が冷え込んでしまっていました。前職が航空券のホールセールをやっていたこともあり、OFCタリフの販売先が重なっている旅行会社が多かったですね。
航空券の変遷として当時、流通の主流となっていた格安航空券（IT運賃）が時代と共に公示運賃へと移行し、ゾーン運賃の下限撤廃による公示運賃の低価格化、競争法（独禁法）問題から発したIATA運賃の廃止、逆にATI認可によるアライアンスJV運賃の設定など、規制緩和、制度改正など、様々な変化の情報をOFCタリフにて旅行会社様にご案内できたことはとても良かったと思っています。
今でこそ、私も偉そうに運賃について説明をしておりますが、旅行会社時代は、発券担当者からそんなことも知らないのか・・と叱られてばかりいました。そのような経験もあり、日本旅行業協会様とタイアップして国際航空運賃に不慣れな方を対象に運賃セミナーを開催し多くの方に参加いただいたことも良い思い出になりました
ーさいごに
定年を迎えるに当たり、このような振り返りをしてこれでよかったのか？と自問していますが、正解は自分でもわかりません。しかし、少なくともこの約40年は良い経験ができたかなと思いますので、「良し」としましょう。
今後についてですが、9月より成田空港で勤務することになりました。空港での業務は未経験ですが、とてもやりがいがある仕事だと思いますのでとても楽しみにしています。もし、空港で会いましたらお声がけください。
最後に、定年まで働くことができたのはお客さま、そしてOFCスタッフの皆さまのおかげです。
この場をお借りして、心より感謝を申し上げます。
ありがとうございました。
この記事を書いた人：
要田（商品販売グループ）
