【第2号】1. OFCの仕事紹介 #2~大学講義

OFCの仕事風景をご紹介するこのコーナー、今回はオフィスを飛び出して、大学の講義にお邪魔してきました。と言っても、多くの大学が新型コロナウイルスの感染拡大を警戒して授業をオンラインに切り替えている影響で、Zoomでの参加です。
「OFCって、こんなこともやってるんだね」ということを皆様に知っていただきたく、講義でどんなことをしてきたのか、ご紹介します。

OFCが大学で何をしているの?

JALグループでは、全国の大学で開講されている航空に関する講義の中で、より航空業界を深く知り、身近に感じていただけるよう、講師を派遣したり、ゲストとして講義に参加したり、という取り組みを行っています。
OFCも昨年度より、いくつかの大学でゲストとしてお話する機会を頂き、学生の皆さんへ国際航空運賃について解説しています。

この国際航空運賃という分野、総合旅行業務取扱管理者試験の勉強をされた方は、「複雑なルールがあって、とにかく計算が難しいもの」という感想を持たれているのではないでしょうか。実際、IATAのルールは毎年少しずつ変わりますし、航空会社ごとの個性もあり、なかなか難解。航空会社にいても、本社で運賃を決定する部署や、旅客営業の最前線にいる担当者以外は、あまり触れることのない、「知る人ぞ知る」知識です。
しかし、運賃というのは、要するに航空会社の収入の最も大事なところでして、これによって経営が支えられている、「わかっていて決して損しない」分野とも言えます。OFCは、多くの外国航空会社の運賃申請や旅行会社へのタリフ情報提供を通じ、国際航空運賃の幅広い知識と最新情報を持っている立場として、「もっと運賃についての話(=航空会社を経営するのに欠かせない知識)を世に広めたい」という思いから、授業の一コマを頂いて、国際航空運賃の歴史と、運賃の決まり方、将来的な収益確保を目指す取り組みなどをご紹介しています。

今回は桜美林大学の講義に参加しました!

さて、この10月は、営業部販売企画セクションの関本が、桜美林大学のビジネスマネジメント学群、アビエーションマネジメント学類で教鞭を執っている来栖茂実先生の講義で、「国際航空運賃とは?」というテーマでお話をしてきました。

n-1.jpg
※ 講義資料より

大学生の皆さんには、「国際航空運賃の歴史」と言っても、生まれるより前の時代のことはピンと来ない面もあったようですが、たとえば日本航空が国際線を初めて就航させた1954年の4月、東京(当時は羽田空港)から最初の目的地であるサンフランシスコまでの往復航空運賃はいくらだったと思いますか?
答えはファーストクラス333,725円、ツーリストクラス(後のエコノミークラス)250,175円、という設定でした。「今も繁忙期なら、このくらいのチケット売れるよな」と感じたあなた、当時は大卒の国家公務員初任給が8,700円の時代です。平成31年度は186,700円でしたから、単純比較で物価は21.5倍に上がりました。そこでツーリストクラスを今の物価に換算すると、なんと540万円近く! とても「気軽に西海岸へ」と言える値段ではありません。実際、当時は日本人の海外渡航が自由化される前で、業務などでどうしても必要があって行く人しか搭乗していなかったようです(海外旅行が自由化されたのは、東京オリンピックが開かれた1964年)。

n-2.jpg
※ 講義資料より

この話をすると、学生の皆さんは「そんなに高かったのか!」と驚き、「今はLCCで気軽に旅行できて嬉しい」という感想を寄せられました。

更に、繁忙期によくある「出発日を1日ずらすだけで、運賃が大きく変わるのはなぜ?」や、アライアンスを活用した世界一周などユニークな運賃の設定など、旅行業界で働いている方にとっては当たり前のことでも、意外と世間一般には知られていないことを中心に、国際航空運賃を少しでも身近に感じていただけるような話をしました。
運賃というと、とにかく「難しい」というイメージが先行しがちですが、今後、海外旅行をたくさんされるであろう若い皆さんに、運賃に興味を持っていただけたのではないかと思います。
もちろん、OFCが得意とする「安い運賃ほど制限が多くなる」運賃ごとの規則の違いなども、しっかりご紹介しています。

n-3.jpg
※ 講義資料より

なかなか海外旅行できない時期が続き、今すぐ役立つものとはなりませんが、学生の皆さんが海外に行かれる際に「お得に航空券を買える」かもしれないヒントや、旅行・航空業界で将来働くときに思い出すと役に立つ知識など、盛りだくさんの内容で、講義を終えました(盛りだくさん過ぎて駆け足になった部分が、わかりにくかった感もあり、講師の難しさを改めて感じています)。

OFCでは、これからも、旅行業界と航空業界の皆様のみならず、多くの方に国際航空運賃のお話をお届けしていきたいと考えています。

タイトルとURLをコピーしました