昨年11月より、Zoomを利用したオンラインセミナーを実施してきました。今回は、2020年度の全日程が終了しましたので、最後を飾った「GDSの読み方」セミナーの様子をご報告します。
OFCのセミナーJATAと共催で、旅行会社の皆様の海外航空券手配に関する知識の向上を意図して企画したものですが、従来、主な受講者は新入社員か若手の皆様でした。
旅行会社に入ったばかり、あるいは海外手配の部署に配属されて間もなく、「そもそも運賃とは?」という勉強をする機会がなかなかないという声を受けた内容です。
この1月は、新たな試みとして、一歩進んで「予約手配担当者のためのGDS英文規則編」というタイトルで、「GDSの読み方」をテーマにしたセミナーを3回開催しました。
「GDSの読み方セミナー」って何をするの?
国際航空運賃の基礎は理解し、お客様がどんな航空券を必要としているのかを会話の中で探ることができる。でも、実際にGDSを操作してみると、規則は英語で書かれていてよくわからない。そういった悩みを持っている方も少なくないでしょう。
そこで、「GDSのFare Noteに書かれている英文の規則は、OFCタリフの日本語の規則にどう書かれているのか?」あるいは「英文で表示された規則を、日本語でどのように説明したらいいのか?」ということを学ぶ機会が必要だと考え、半日という限られた時間ではありますが、GDSのトレーニング画面を操作しながら、運賃規則を更に深く学ぶ場として実施したものです。
なお、GDSについては、株式会社アマデウス・ジャパンにご協力いただきました。講師として基本的な操作方法の説明と共に、トレーニング環境もご提供いただいております。
もちろん、アマデウス以外の端末をご使用の旅行会社の方もいらっしゃると思います。コマンドは異なりますが、規則の表示や内容はどのGDSでもほとんど変わることはなく、Amadeus Selling Platform Connectの基本的な操作さえ分かっていれば、問題なくご参加いただける内容としました(セミナー中で使うコマンドは第1部で解説し、実際に検索していただく場面では、スライド資料上部に入力すべきコマンドを表示していますので、どうぞご心配なく)。
どんなことを勉強したの?
今回のセミナーは3部構成で、まず第1部ではアマデウス・ジャパン社の金谷様にお越しいただき、Amadeus Selling Platform Connectの基本的なコマンドや操作方法を解説しました。
実はこの「GDSの読み方」セミナー、構想は以前からあったのですが、集合形式で実施する場合、参加者の皆様に操作していただけるだけの端末を用意するのが難しく、実現に至っていませんでした。
2020年度はオンライン開催となったことで、この画像の通り、画面共有で講師側のコマンドを見せつつ、各参加者はご自身の端末でGDSを操作し、より実践的に学習していただくことが可能になりました。
【注】今回掲載している画像は、全て直前のリハーサルのものを使用しています。本番ではどんな内容に進化したのか? ぜひ来年度のセミナーに参加して、お確かめください。
GDSのコマンドと言うと、覚えるのが大変なイメージもあり、これを書いている自分も、久しぶりに開いては「はて、コマンド何だっけな?」と早見表をひっくり返しています。しかし、アマデウスのエントリーは簡潔で覚えやすく、クリックで進める部分もあり、参加者の皆さんは比較的スムーズに規則の検索を進めていました。
なお、OFCのセミナーで使用するのは運賃照会に関する部分のみで、予約や発券に関するGDSの知識は必要ありません(第1部で、さわりの部分だけご紹介しています)。
休憩を挟んで第2部では、タリフセクションの田辺がGDS画面と、日本語表示の資料を並べながら、Fare Noteに書かれた英文規則の意味について解説しました。
日本語訳については、OFCタリフの記載を参考に表示しています。タリフを普段から使い慣れている方であれば、もしかすると「英語のよくわからなかったところ、日本語だとこんな意味だったのか!」という気付きがあったかもしれません。あるいは、タリフに慣れ親しんでいない方でも、この日本語の説明を理解しておけば、社内でもお客様に対しても、説明の心配はないでしょう。
続く第3部では講師を倉野に交代し、更にFare Noteを解説していきます。
コマンドページの文字だけ見ていても、乗り換えや途中降機の行程が頭の中で描けないことって、ないでしょうか。どういうルートで、どういう乗り継ぎをして、それが規則に合致しているのか。こうやって地図を組み合わせて視覚的に掴みやすくなると、理解も深まりますね。
もちろん、学んだことがきちんと身についているかを確かめるために、練習問題のコーナーもご用意しました。
こうやって、画面上の文字を丁寧に追いながら、旅程に当てはめ、規則を適用できるか確かめていく作業をやってみると、あの長くて複雑なFare Noteも、なんとなく身近に感じられるのではないでしょうか。
日本語で規則を確認したいときは?
そうは言っても、英語のFare Noteの内容がいまいちよくわからず、日本語で規則を見たいときもありますよね。OFCタリフの書籍がお手元にあれば、それを開いていただくのが一番早いのですが、テレワーク時など、すぐに参照できないことも。
そんなときに活躍するのが、Amadeus Selling Platform Connectの機能のひとつ「FR Navi」です。こちら、OFCタリフと同じ内容の日本語で運賃規則を参照できるという便利なもの。
ただし、Amadeus Selling Platform Connectの使用とは別にお申し込みが必要になります。使用料などの詳細は、アマデウス・ジャパン社の営業担当までお問い合わせください。
今後のセミナー開催予定
このGDSセミナーは、ある程度手配経験のある旅行会社の方にもご参加いただきました。受講後アンケートを拝見し、日常業務では見落としがちな規則の細かい点を知ることができる、有意義な機会になったのではないかと考えています。
2020年度のセミナーは全て終了しましたが、現在、21年度に向けて準備中です。
皆様から頂いたアンケートの結果や、講師の意見を基に、更にご満足いただける内容とするべく、企画を検討してまいりますので、今年ご参加いただけなかった方は、ぜひ次回お申し込みください。
日程やコース内容の詳細は、3月上旬から中旬頃に発表するつもりで進めています。このニュースレターでも早めにお知らせします。もう少々お待ちください。
※この機会に、社内の方々にもニュースレター登録をお勧めいただければ幸いです。