【第2号】韓国・済州島編
【第3号】長崎県編
【第4号】ニューカレドニア編
【第5号】北海道・知床編
【第6号】アメリカ・オーランド編
【第7号】北に行くか、南に行くか、編。
【第8号】中国・呼和浩特編
【第9号】紅葉が見頃な京都編
編集長の関本です。このコーナーは第1回以来2度目の担当になりますが、2019年春に行ったバンコクの話を書いてみます。
書いていて、「もう一昨年の話なんだなぁ」としみじみ。ここしばらく毎年タイに行っていたのに、海外旅行ができなくなって、早くも1年経ってしまいました。早くまた行きたいなぁ。
そんな、何度も行っているバンコクですので、今さら定番の観光の話は一切出てきません。「こんなところもあるんだな」と思って読んでいただければと思います。
今回の旅の目的は?
ところで、皆さんは犬お好きですか? ぼくは残念ながら飼ったことはありませんが、大好きです。特にコーギーが一番かわいいと思っています(ちなみに、OFCには犬を飼っている社員が何人かいます。しかし、コーギーはいない模様)。
ある日、何気なく読んでいたネットの記事で、バンコクにコーギーと戯れることのできるカフェがあると知りました。普段、近所で散歩している姿をこっそり見つめるしかない(あ、たまにスーパーの入り口に繋がれていると、飼い主さんがいないのを確認してから、勝手に話しかけています)コーギーに、堂々と囲まれる場所があるとは。これは行かねばならぬ。というわけで、バンコク行きの安いツアーを予約。
これまで、バンコクに行くときは毎度ホテル選びに一番時間をかけていまして、街中にするかチャオプラヤ川沿いにするか。設備の充実した大型ホテルにするか、部屋数がそれほど多くなく静かなホテルにするかなど、いろいろ悩んでいましたが、今回は料金重視。最寄り駅から少々離れた「センチュリーパーク」というホテルに決めました。ホテルよりコーギーの方が大事ですから。
なお、手配は、当社の日本語運賃規則データをウェブサイトでご使用いただいている、とある旅行会社経由です。
毎度LCCでバンコクへ
羽田または成田空港からバンコクに行くときは、往路と復路でも所要時間は変わりますが、6~7時間くらい飛行機に乗るのが普通。最近はLCCを利用しています。身体があまり大きくないため、多少狭くても全く問題ありません。あと、どこでも寝られるタイプなので、離陸するかどうかくらいにうとうとし始めて、気がつくとタイの上空にいたりします。
今回は初めてタイ・エアアジアXに乗りました(これまでバンコク行きはスクートばっかり)。座席もサービスも、LCCは各社そこまで大きく変わりませんが、エアアジアで驚いたのは、隣の席の日本人男性(たぶん六十代)が、空港で買ったと思しき弁当を広げたことですかね。他のLCCでは「持ち込み飲食禁止」が多いイメージだったので、「いいのか!」と思いました。それ食べながら、客室乗務員から普通に缶ビール買っていて、「見つからなかっただけ」ということでもなさそう。節約派にはありがたい話です。次から見習おう。
さて、バンコクに行くのにLCCを使うと、到着してからもいいことがあります。それは、古い方のドンムアン空港に着くということ。バンコクのメインの空港はスワンナプームですが、街中から遠い。そして、平日の夕方に到着すると、ホテルに向かうタクシーが高確率で渋滞に巻き込まれます。なら列車で、と思うと、途中で大荷物を持って乗り換えるのが大変(日本より駅のエスカレーターは少ないです)。
その点、ドンムアンは小さくて空港内を歩かない。入国審査の列も長過ぎない(経験上)。タクシー待ちの行列も短い(番号札をもらって、屋内で待てます)。更に、中心部から近いので、タクシーに乗る時間も短くて済む。いいことばかり。今回泊まったセンチュリーパークは、市内の中心部からドンムアンに向かう途中に位置することもあり、ひどいときだとスワンナプームからチャオプラヤ川沿いのホテルまで1時間半かかってぐったりするところ、空港を出て20分ほどで涼しいロビーに入ることができたのでした。なお、LCC全てがドンムアンを目指すわけではなく、JALが新しく設立したZIPAIR Tokyoはスワンナプーム空港を使うそうです。
まぁ、そんなことも、航空会社選びの基準のひとつとして。
バンコク一食目はわんこそば
成田で搭乗前に、朝からビールを飲んでおなかを満たしましたが、ホテルに到着することには、もう夕方。当然、何か食べたいわけです。
早速、最寄り駅(「BTS」と呼ばれる高架鉄道の「戦勝記念塔」駅。本当に道の真ん中に大きな塔があって、それを避けるように線路がカーブしています)近くのショッピングモール「センター・ワン」へ。あたりをつけていたのは、麺料理の店です。
こちら、選べる麺が充実していまして、どれも日本円で50円ほど。量はさほど多くなく、数口で食べられてしまうおやつサイズ。
タイの麺料理というと、麺自体も原材料の違いや太さ数種類から選べて、スープのあり/なし、トッピングする具など、カスタマイズは自由自在。これが少量でいろいろ試せる、まさにタイのわんこそば状態です。
写っているのは4杯だけですが、たしか全然足りなくて、同じ数おかわりしたような。ふたりで8杯は、本当におやつでした。
なお、こちらのお店、お酒は置いていません。ソフトドリンクのみです。日本人には甘すぎるアイスティーと、スパイシーな麺の組み合わせも、たまには悪くありませんね。
タクシーに乗れない問題
ホテルに戻って休憩したら、夕食に向かいます。食べ過ぎですか? 旅というのは、そういうものです。
この日に行きたかったのは、中心部から外れたガチョウ料理のお店。単純に、羽が生えているタイプの肉が好きなんです(鶏も鴨も鳩も)。
ホテルの前の大通りを流しているタクシーをつかまえて、お店の住所を見せて連れて行ってもらおうとするんですが、これが全然乗せてくれません。平日の夜、明らかに混んで進まない方向へメーターで行くよりも、短距離で数を稼いだ方が実入りがいいということなのか、最近のバンコクで夕方~夜にちょっと遠くへ行こうとすると、あからさまに乗車拒否されます。または、メーターではなく言い値(たぶんメーターの3倍くらい)で乗るか。今ならUberとかGrabを使えばいいのかもしれませんね。
結局、電車を乗り継いで、最後は徒歩で汗をかきながら、どうにかお店に辿り着きました(この歩きを省略したかったんだけど、帰宅ラッシュで空車がつかまらず)。
大変な思いをしてありついたのは、こんな感じの料理です。
中華系のお店のキャベツ炒めって、すごいシンプルなのに、なんであんなにおいしいんですかね。ビールが数秒で(?)消えていきます。
ガチョウは焼いたものと煮たものを食べ比べ。食感が違って、甲乙つけがたいおいしさでした。ちなみに、量の違いで何種類か設定がありますので、小食の方でも、ひとりだったとしても楽しめます。
それと、締めの麺。また麺です。この形の鍋が出てくると、クンオップウンセン(殻付きの海老と春雨の蒸し物。ぼくの最も好きなタイ料理のひとつです)を連想しますが、ここではプルプルの手羽を使っています。海老ではありません。これもオイスターソースのコクでビールが進み、あっという間に完食。ごちそうさまでした。
これだけおいしければ、さぞ人気のお店と思いきや、ぼくが入った時点(覚えていませんが、たぶん6時半とか7時とか、そんなもん)で、先客はゼロ。その後も一組か二組来たような、という程度。こっちの国で、レストランが満席というのは、ほとんど見かけません。どういう経営なんだか。あるいは、日本のお店がどこも混み過ぎなのでしょうか。
タイのビールは薄いから酔わず、外の暑さで汗をかいてすぐ水分が飛んでいく、というわけで少々飲み足りず、ホテル最寄りのコンビニに行って、缶ビールとつまみを購入。途中、野良猫がいたので、話しかけておきました。
部屋から外を眺めつつビールを飲んで、長い1日目は終了です。
朝から気温30℃
バンコクに限らず東南アジアに行くと、とにかく暑く、空港で飛行機を降り立った瞬間から、あの独特のもわっとした空気に「また来ちゃったなぁ」という気分になります。
この日も朝から気温はどんどん上がりますが、午後よりはましなので、早めの行動開始。
まずは、チャトゥチャック・ウィークエンドマーケットへ。ガイドブックにも必ず紹介されている、週末限定営業の市場です。
以前はもっと観光客の多いショッピングセンターやナイトマーケットに行っていましたが、タイの物価が上がっているのと、為替の関係もあり、あんまり安く感じられなくなりました。そこで最近は、観光客向けのお店の仕入れ先にもなっているという、こちらの市場に足を運ぶように。イメージとしては、MBK(街中の巨大なショッピングモール)で300バーツ(1,000円くらいですかね)で売っているTシャツや小物が、チャトゥチャックでは200バーツです(まとめて仕入れると、もっと安くなるのかも)。
ただし、安い代わりに大変なところもありまして、まず週末しか営業していません。一部は金曜日も営業しているそうですが、基本は土曜日と日曜日のみ開きます。それから、屋外市場なので、とにかく暑いです。稀にガラス張りでエアコンをつけているお店もあるものの、大部分は露店。狭い通路の上にカバーをかけて、なんとなく全天候型を醸し出している程度。
はい、こんな感じ。風通しが悪くて、体感温度は30℃を超えているかもしれません。
あと、広い敷地に小さいお店が密集していて、どこで何を探せばいいのかよくわからない。すぐ迷子になる、というのも困ったところ。「あとでまた来よう」と思っても、戻れないんですね、これが。
タイっぽく象の刺繍の入ったシャツ(暑い日にたまに着ますが、日本ではすごい浮く)や、タイシルク100%と主張する(絶対違うと思う)トランクス、これもタイシルクだというネクタイなど、自分用のお土産を買い込みまして、早めに退散。ここで体力を消耗すると、あとの計画に差し支えます。
今日は禁酒日
タイには年に何回か禁酒日があります。主には仏教の祝日が対象になるようですが、国政選挙の当日も追加されることがあるとも聞きます。1日お酒を飲まないから何なのかと個人的には思いますが、そういう習慣なのですね。
で、バンコク2日目のこの日は、何だか忘れましたが禁酒日でした。スーパーマーケットのお酒の冷蔵庫には、こんな張り紙がされ、中の商品を取り出せないように鍵がかかっています。
ちなみに、お酒を飲むこと自体が禁止されているわけではなく、「その日は酒類を販売しない」という決まりなので、ホテルに帰り、部屋の冷蔵庫からビールを取り出して飲むのは可能。
戦勝記念塔駅まで戻って、ランチにします。駅の近くにランナム通りという、一見何の変哲もない通りがありまして、ここにイサーン料理のお店が集中しているので、よさそうなところに入ってみます。
イサーン料理というのは、タイ東北部イサーン地方の郷土料理で、ソムタム(青パパイヤのサラダ)、ラープ(ひき肉のサラダ)、ガイヤーン(鶏の炭火焼き)などが有名。全般的に辛めの仕上がりが特徴です(辛くないものも、もちろんあります)。
日本にもイサーン料理を出すお店はありますし、バンコクでもおしゃれなフードコートで味わうこともできますが、ランナム通りはそういう上品な雰囲気ではなく、ほとんどのお店がオープンエア。暑い中、扇風機のぬるい風にあたりながら、辛い料理で大汗をかくという仕組みです。
ここで、禁酒日だということをうっかり忘れて、「レオ」と言ってしまったんです(タイの飲食店では大体「シンハー」「チャーン」「レオ」「ハイネケン」の4種類が定番で置いてあります。最近は「フェダーブロイ」も増えています)。すると。
いや、普通に出てきましたよ。お酒を飲むこと自体を禁じられているわけではありませんから、それがお店の経営方針なんだろうと思って、頂きました。
注文したのは、こんな料理です。
まず上は、青パパイヤのサラダ=ソムタム。トマトの皮と間違える勢いで刻んだ赤唐辛子が混ざっているので、辛いものが苦手な方は注意してください。乾燥した小海老とピーナッツの香ばしさがたまらないサラダです。
次がひき肉のサラダ=ラープ。生の玉ねぎやハーブ類が強烈ですが、これもまた辛い。ポイントは、米を炒って潰した「カオクワ」が入っていること。独特の食感を楽しめます。辛過ぎる場合は、カオニャオ(蒸したもち米)と一緒に食べると落ち着きますので、お試しを。
そしてガイヤーン=鶏の炭火焼き。日本だと、肉が柔らかくて、本場の味を再現できないんですよね。痩せた鶏を炭火で豪快に焼き上げ、辛めのたれをつけて食べると、これもビールが進みます。タイに行ったら、ぜひ一度食べてみてください。
ホテルに戻ったら、プールで泳いで(東南アジアは、この楽しみがあるのがよいですね)、お昼寝。夕食は最近できた高級フードコートに行ってみました。おいしかったけど、そこまでの感動はなかったので省略します。
いよいよコーギーに会う
明けて3日目。深夜の便で帰るので、最終日です。
朝から街中のショッピングモールをぶらぶらして甘いマンゴーのデザートを食べ、電車とタクシーで移動。いよいよ、コーギーと戯れることのできるカフェに向かいます。
最寄り駅からタクシーでそれほどかからない場所、と思ったら、道路の反対側にあり、Uターンできるポイントがものすごい先にあるため、ずいぶんかかりました。横断歩道のない通りを走って渡る勇気があれば、5分で着くと思います。
「そういうお店がある」という情報だけでGoogle Mapを頼りに向かったため、入場方法などの事前知識一切なし。チケット売り場に行ってわかったことは、以下の通りです。
(1)事前予約不可。当日先着順で好きな時間のチケットを購入。
(2)犬を休ませるため、午前10時から2時間おきの入場で最後が16時。最初の1時間は犬がいて、後半は休憩になる。その間にお客さんの入れ替えと清掃。
(3)今日はもう16時のチケットしかない。
朝一で来て、遅い時間しか空いていなければ出直す余裕のある人でないと、厳しいルールでした。
が、ここまで来てあきらめるのも悔しい。「このために日本から来たんだけど」と言って(大袈裟)交渉した結果、「今の回は何席か空いている。ただ、犬が15分で休憩に入るから、そんなにゆっくりできない。それでよければ」ということになり、急いで入場。建物に入ると、その辺を駆け回るコーギーたち。
適当な空席を見つけて座っていると、走り疲れた子がおもむろに足の上に座ったりして、かわいいですね。だっこは驚くから禁止と言われましたが、転がっている子を触るのは自由です。
短い時間だったけど、いつも遠巻きに見るだけのコーギーと遊べて、大満足でした。また来ます。
そう言えば、バンコクにはハスキー犬と交流できるカフェもあるそうで、そっちも気になるところ。行ったことある方がいれば、どんな感じか教えてください。
最後まで力いっぱい食べて帰ります
最後の夕食は、ランナム通りの別のお店でイサーン料理。
やはりオープンエアのレストランと言うより食堂で、ヤリイカのラープや、コームーヤーン(豚の喉肉の炙り焼き)で、おなかいっぱい。
荷物をまとめて空港に向かい、深夜の便で帰りました。
なお、タイでは至る所で売られている果物ドリアンですが、危険物として飛行機への持ち込みが禁じられていますので、ご注意ください。