今回はフェアベイシスコードについて。担当は引き続き、タリフセクションの柏木と冨塚です。
フェアベイシスコード/Fare Basis Codeとは
航空会社は多種多様な国際航空運賃を日夜設定しています。その膨大な運賃を管理するために、それぞれにコードをつけています。
その運賃を特定するためのコードがフェアベイシスコード(Fare Basis Code)と言われるもので、日本語では運賃種別コードと言われています。
GDSで運賃を検索している方には見慣れたものだと思いますが、航空券のeチケット控え等でアルファベットや数字を組み合わせた2~8桁の文字列を見て、何だろうと思った事がある方もいるかと思います。
業界ではフェアベイシスコード(Fare Basis Code)を略して「エフビーシー」(FBC)と呼ぶこともあります。
コードの規則性
フェアベイシスコードの構成は各航空会社によって異なりますが、標準的な配列にはある程度規則性があります。
フェアベイシスコードに含まれる項目としては「予約クラス」、「シーズナリティ」、「曜日」、「事前購入型」、「有効期間」、「旅客運賃タイプ」、「適用運賃」、「出発/目的国」などがあります。
いくつか例をあげてみると、まず、
【A社 ヨーロッパ行 エコノミークラス制限付運賃(KHWE6MJP)】
K | H | W | E | 6M | JP |
① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ |
② H・・・シーズナリティ(ピークシーズン)
③ W・・・曜日(週末)
④ E・・・EXCURSION(回遊運賃)
⑤ 6M・・・最長旅行期間(6か月)
⑥ JP・・・出発国(日本)
となります。
また事前購入型の運賃では下記のようなフェアベイシスコードがあります。
【B社 ハワイ行 エコノミークラス制限付運賃(ZAJU14)】
Z | A | JU | 14 |
① | ② | ③ | ④ |
② A・・・事前購入型運賃(Advance Purchaseの”A”)
③ JU・・・出発/目的国(日本/米国)
④ 14・・・事前購入日数(AP14)
そして、運賃のタイプをフェアベイシスコードの中に含むものもあります。
【C社 東南アジア行 エコノミークラス制限付運賃(QFL1YJP)】
Q | FL | 1Y | JP |
① | ② | ③ | ④ |
② FL・・・運賃タイプ/Fare Family(FLEX)
③ 1Y・・・最長旅行期間(1年)
④ JP・・・出発国(日本)
様々な例外
以前はこのような規則性をもったフェアベイシスコードが多かったのですが、昨今航空会社が利用しているシステムにあわせたものや、NDC(New Distribution Capability)の導入に向けた、航空会社独自のものが増えているように感じられます。
またフェアベイシスコードの一桁目が予約クラスと同じことが多いのですが、例外もあります。
例えばデルタ航空のコンフォートプラス運賃の一つに 「BNZ0ZKCT」 というフェアベイシスコードがありますが、予約クラスは “B” ではなく、”W” となります。
このように予約クラスとフェアベイシスコードの1桁目が異なることもありますので注意が必要です。
フェアベイシスコードも日々進化しています。今後どんなフェアベイシスコードがでてくるのか楽しみでもありますね。
今回のまとめ
フェアベイシスコードは航空会社が独自に設定する
フェアベイシスコードには規則性があり、どんな規則なのか推測できる
一桁目のアルファベットが予約クラスと同じ事が多いが、異なることもある
柏木&冨塚(タリフセクション)