【第15号】2. 運賃の仕組みの話 その5「IATAエリア」

 今回はIATAエリアについて。担当は、編集部の浜田です。

IATAエリアとは

 今回はIATAエリアについて解説をしていきます。

 IATAでは、下記の表のように世界を大きく3つの地区に区分しています。
第1地区、第2地区、第3地区の3つに分かれており、TC1(Area1)、TC2(Area2)、TC3(Area3)とも呼ばれています。
各エリアの分け方は以下のとおりです。

TCは「Tariff Conference Area」の略語です。


さらに3つに区分されたエリアの中には補助地域と呼ばれる詳細に区分された地域があり、これを「SubArea(以下、サブエリアを表記)」とも呼びます。

では、早速エリアごとのサブエリアを見ていきましょう。

各エリアのサブエリア

 第1地区は以下のように4つのサブエリアに分かれており、そこにはそれぞれの国が所属しています。 中でもメキシコは中米と考えてしまう方もいますが実は北米、太平洋上の真ん中に位置しているハワイ諸島も北米になります。

 

 次は第2地区です。主な地域は「ヨーロッパ」「中東」「アフリカ」の3つです。

 ここでワンポイント アドバイス!!

アフリカ大陸は国によっては属するサブエリアが異なる
 「モロッコ」「アルジェリア」「チュニジア」はヨーロッパ
 「エジプト」「スーダン」「南スーダン」は中東
ロシアは1つの国でも2つのエリアにまたがって属している
  ウラル山脈以西は第2地区のヨーロッパ 
  ウラル山脈以東は第3地区(以下参照) 

 同じ大陸、地域や国でもエリアや補助地域が変わるので、正確に覚えておく必要がありますね。

 

最後は第3地区です。
「日本・韓国」「東南アジア」「南アジア亜大陸」「南西太平洋」の4つのサブエリアから成り立って  います。

ここでもワンポイント アドバイス!!

「日本・韓国」は2つの国で1つの地域
  例えば日本からヨーロッパに行く場合、直行で行っても韓国を経由しても
  GIが同じになる

下記のように、日本と同じサブエリアの韓国を経由の場合でも、GIは「TS」が適用されるのです。
ただし、韓国以外の他のアジア、別のサブエリアを経由する場合はGIが「EH」となります。
(GIはニュースレター第11号「グローバルインディケーター」参照)

GIを確認するのにもエリア、サブエリアが重要となるのが分かりますね。

TC3に属してるロシア
  ロシアは基本 第2地区だが、ハバロフスク、ウラジオストックなど
  極東と呼ばれるウラル山脈以東のロシアは第3地区の東南アジア

 さらにはグアムも広い範囲の東南アジアに含まれています。

このように広い世界は3つだけのエリアに分かれていますが、エリアにはさらに細分化したサブエリアがあり各国、地域が属しており、異なるサブエリアになる国や地域もあります。
時間のある今、世界地図と照らし合わせてサブエリアまで覚えてみるのも楽しいかもしれませんね。
 

今回のまとめ

世界を3つのエリアに分けている
3つのエリアには補助地域(サブエリア)にそれぞれ国、地域が属している。
同じ国、地域でもエリアやサブエリアが異なる国もある。
エリア、サブエリアによって飛行経路が変わり適用する運賃や規則も異なっていますので、注意が必要

この記事を書いた人:

浜田(編集部/タリフセクション)

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