【第17号】2. 日本発運賃の歴史と変遷(その9)OFCタリフシリーズ創刊

 大変お待たせしました。ようやくOFC創業当初のタリフをご紹介するときが来ました。

 会社の会議室に眠る古いタリフをいろいろひっくり返しまして、当時の様子などお伝えできればと思っています。

 

 

会議室の棚を開く

 昔のタリフを開く前に、OFC事務所の会議室奥にある棚を見てみましょう。

 ここには、創業当初からのタリフや、その他の出版物。また、代理店として販売しているOAGやtimなどのサンプル用書籍が収められています。

 こちらの棚、下段には、今年1月までのデザインの書籍が並んでいますね。2015年からしばらく、TC1/2/3の3冊に分かれていて、キャリア普通運賃と特別運賃が収録されていました。

 上段はもっと昔の本。薄いです。こうやって見ると、ページ数が増えているのがわかります。

 

 こちらの棚は、いろいろ見ているうちに下段の右側が崩れてしまいましたが、主に『日本発運賃一般規則』が保管されています。

 上にはポケット版。持ち歩きできるサイズで、かつては旅行会社の営業担当者が必ず携帯すべき本としてよく知られていたと聞いています。今はネットで検索できてしまう時代になりました(当社WEBタリフ、ぜひご活用ください)が、かつては運賃が今より少なかったこともあって、これを持っていればどうにかなった、ということですね。「懐かしいな」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

1984年のOFCタリフ

 会社設立当初、何種類の書籍が発行されていたのかまでは把握していませんが、先ほどご紹介した本棚から2冊ほど出てきました。

 フォントや色遣いに時代を感じるデザインです。当時は普通運賃と特別運賃の2冊に分かれていて、それぞれ全世界まとめて掲載されていました。特別運賃の方には、IT運賃も収録されています。

 

 当時は運賃数が少なかったので、今より本の厚さもずっと控えめ。最新号と比較してみましょう。

 左が最新2021年4月版。『日本発キャリア運賃(TC1/2)』『日本発キャリア運賃(TC3)&IT運賃』『世界の特別運賃(世界一周・エアパス等)』の3冊構成になっています。

 一方、右は1984年の2冊。今の半分以下の量ですね。しかも、これ全部に運賃額と規則が載っていたわけではありません。

 こちら、普通運賃の本の目次。肝心の運賃表(規則表を含む)は69ページから始まり、次の「都市区間距離表」が185ページからですので、その間の100ページ強という少なさ。

 今は『日本発運賃一般規則』として独立した本になっている諸規則の説明が冒頭にあり、運賃表のあとには、巻末資料と言うにはあまりに豪華な情報が続いています。

 

 値段はどうだったのかな、と思いつつ、ついでに奥付もご紹介しましょう。

 こちらは普通運賃の方。定価は3,000円(消費税は未導入)。郵便番号が3桁なところに、また時代を感じます(7桁になったのは1998年)。

 なお、OFCは現在、田町駅近くの芝浦にありますが、当時は日本航空本社と同じ丸の内にありました。ちなみにこの「東京ビル」、現在は建て替えられてTOKIAという名称で知られています。地方の方には「はとバス乗り場の道を挟んだ向かい」と言うと、なんとなくイメージ掴めるかもしれません。日本航空は1996年に天王洲に移転。2003年に取り壊されて、新しくなった後は三菱電機やJPモルガンが入居しています。

 

 話が逸れました。

 特別運賃はこちら。1,000円だそうです。

 初版の後に2版が出ている事情までは、よくわかりませんでした。決定的な間違いがあって刷り直したのでなければ、思ったよりも売れて追加したんでしょうか。書籍がなかなか売れない今からすると、羨ましい話です。

 

 

 ページをめくって中身の話に進もうと思ったのですが、長くなったので、また次回。どうぞお楽しみに。

 

この記事を書いた人:

関本(編集長)

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