【第26号】2. 運賃の仕組みの話 その16「最長旅行期間」

　運賃の仕組みのシリーズも16回目は「最長旅行期間」について説明をしていきます。前回の「必要旅行日数」との違いも表にしてご紹介します。

最長旅行期間

　

定義

　最長旅行期間とは、適用する運賃で旅行可能な最大の日数のことを言います。一般的な考え方は、最後の途中降機地点からの復路の旅行を開始できる最終可能な日となります。

　弊社発行のOFCタリフやデータでは、以下のように表記しています。

　【例】「Xヵ月発・開始」

　

最長旅行期間の満了日

　キャリア普通運賃の最終区間の搭乗用片は有効期間満了日の24時までに使用して、出発しなければなりません。キャリア特別運賃では、個別に規定がない限りは、最後の途中降機地点（ない場合は折り返し地点）からの復路の旅行を開始できる最終可能日で、期間満了日の24時までに出発しなければなりません。期限のようなものですね。次は数え方になります。

　

最長旅行期間の 数え方

　最長旅行期間の数え方は以下の表のように数えます。数え方は重要ですので覚えておきましょう。

　

	日数の数え方	表示例	旅行開始日	最長旅行期間満了日 その日の24時までに最後の途中降機地点から出発
Xヵ月発・開始	旅行開始日から数えてXヵ月目の同日	2ヵ月発・開始	8/20	8/20 ＋ 2ヵ月目（2ヵ月発・開始）＝　10/20
X日発・開始	旅行開始の翌日から数えてX日目	13日発・開始	9/1	9/1 ＋ 13（13日発・開始）＝　9/14

　

　では、上段の例から説明をしていきます。

　「２ヵ月発・開始」の規定で、旅行開始日が8/20です。数え方は旅行開始日から数えて2ヵ月目の同日となりますので、旅行開始日　8/20の2ヵ月目は10月、日にちは旅行開始日と同日になるので、20日　＝　よって、10/20の24時間までに最後の途中降機地点から出発しなくてはなりません。

　下の段は「13日発・開始」の規定で旅行開始日は9/1です。数え方は旅行開始の翌日から数えて13日目となります。旅行開始日　9/1の翌日から13日目となりますので、9/14が満了日となります。

　

　前回の「必要旅行日数」は基本「最初の国際線出発日の翌日」から数えることになっていますが、「最長旅行期間」は「旅行開始日」が基準となります。

ワンポイント

　旅行開始とは、国内線、国際線問わずに一番最初の地点を出発することです

　

　では、ここで問題です。

【問題】下記の旅程の場合、最も遅くCEBを出発できるは何月何日になりますでしょうか。
MNLは往路、復路ともに乗り継ぎで、この旅程では途中降機する地点がないので、折り返し地点のCEBから復路の旅行を開始できる最終可能日を考えます。
解答、解説は一番下を参照ください。

最長旅行期間 ：

6ヵ月発・開始

　

10／14	10／15		X／X
→	→	→	→	→	→	→
SPK	TYO	MNL	CEB	MNL	TYO	SPK
		乗り継ぎ	折り返し地点	乗り継ぎ

　

いろいろな最長旅行期間の数え方

　

　

　この表は最長旅行期間の数え方の一覧表となります。ここでは一番下の 「Xヵ月発・開始」の赤字箇所、月末のケースの考え方を説明をします。
　Xヵ月発・開始の場合は旅行開始日から数えてXヵ月目の同日が期間満了日になりますが、旅行開始日が月末の場合はXヵ月目の月末と考えます。表の赤字箇所をご確認ください。

　最長旅行期間が「1ヵ月発・開始」の場合とします。旅行開始日が6/30の場合は１ヵ月目の7月の月末＝7/31となり、旅行開始日が1/31の場合は1ヵ月目の2月の月末28（29）日となります。このように月末の場合だけは、考え方が異なりますので覚えておくと便利です。また、「X週間発・開始」の場合は、X週目の旅行開始日と同じ曜日となります。

　同じ「Xヵ月発・開始」でも旅行開始日によっては数え方が異なったりと、最長旅行期間にはいろいろな数え方があります。「あれ！どうやって数えるんだっけ？」と不安になった時は、このページに帰ってきてください。

　

　

必要旅行日数と最長旅行期間の違い

　

　前回説明した必要旅行日数と最長旅行期間の違いを表にまとめました。特に数え方がポイントとなりますので、参考にしてください。

　

　では、ここで出題した問題の解答です。　

【解答・解説】

　解答：4/14

　解説：条件が6ヵ月発・開始です。最長旅行期間は旅行開始日を起点と考えるため、日本国内の最初の出発地点　SPK発が10/14、その６ヵ月目＝4月の同じ日である14日となります。途中降機地点がない今回の旅程では折り返し地点のCEB出発は4/14　24：00までにしなくてはなりません。

　

　お客様のご要望に沿う旅程には、この2項目は重要となります。考え方、特に数え方をマスターしてよいプランを提案できるといいですね。