【第28号】3. 運賃の仕組みの話 その18「運賃の種類」

 

 

 運賃の仕組みシリーズは前回までは弊社発行「OFCタリフ」の規則表18項目に沿った内容でしたが、今回は「運賃の種類」について説明をしていきます。今までも簡単に説明していることはありましたが、具体的にどんな運賃が存在するのか、運賃の種類の特性なども併せてご紹介します。

 

 

 

 

運賃の種類

 2018年10月の発券を最後に、IATAが設定する運賃は廃止されました。この記事を読んでいる方の中にはIATA運賃を知らない、手配もさほどしたことがないという方が多いかと思います。現在、設定されている運賃はすべてキャリア運賃になっています。

 キャリア運賃の大きな特徴としては、以下の2つが挙げられます。

 

 1) 自社路線の促進を目的とした航空会社独自で設定した運賃
 2)適用できる航空会社が制限されている


 キャリア運賃には、航空会社が発表する公示運賃と発表していない非公示運賃という2種類に分けられます。発表というのは、 設定した運賃をhp上や出版物へ掲載したり、またGDSに反映されていることを指します。

 また、公示運賃は、名前のとおり公示はしていない運賃で企業や団体向けの運賃となっています。「プライベート運賃」と呼ぶこともありますので、ご参考までに。

 

 

キャリア運賃の種類

 キャリア運賃でも公示運賃には、大きく分けて以下の種類があります。

 ・キャリア普通運賃
 ・キャリア特別運賃

 また、キャリア普通運賃は「キャリア ノーマル」、キャリア特別運賃は「キャリア スペシャル」という言い方をする時もあります。慣れてきたら、ノーマル、スペシャルの方が言いやすいかもしれませんね。

 

 

運賃の特徴は?

 では、「キャリア普通運賃」と「キャリア特別運賃」は何が違うのか、主な特徴は次のとおりです。

 

規則運賃額
キャリア普通運賃全体的に緩め高め
キャリア特別運賃運賃の種類が多く、普通運賃よりは厳しい低め

 上の表のとおり、運賃額が高いキャリア普通運賃は規則が緩く、比較的安価なキャリア特別運賃は規則が厳しい傾向になっています。また、キャリア特別運賃には、キャビンクラス毎に何種類もの運賃があるのも特徴です。お客様が、旅程に合わせて運賃を選んでもらえるように多様な運賃を設定しているのですね。

 

 

キャビンクラス

 

 ここまで運賃の種類を説明してきましたが、次はキャビンクラス、予約クラスについてです。航空会社、機材によってキャビンクラスが異なることがありますが、運賃上のキャビンクラスは以下の4つに分かれます。

キャビンクラスコード
ファーストクラスF
ビジネスクラスC
プレミアムエコノミークラスW
エコノミークラスY

 また、キャビンクラスによって運賃額は異なり、例えば全く同じ規則だとしても、ファーストクラスは高額となり、エコノミークラスは安価で求めやすい運賃になります。

 

 

予約クラス

 キャビンクラスとは別に、各航空会社では、各運賃ごとに予約数や販売数を管理するために設定しているブッキングクラスと言われる予約クラスがあります。予約クラスはRBDとも呼ばれています。実際にGDSで運賃を検索したり、予約をする時はこの予約クラスに従って予約を進めていくことになります。

予約クラスの一部の例をまとめてみました。

ファーストクラスビジネスクラスプレミアム
エコノミークラス
エコノミークラス
・Fクラス・Jクラス・Wクラス・Yクラス
・Aクラス ・Cクラス・Nクラス・Bクラス
・Pクラス など ・Dクラス・Eクラスなど・Hクラス
・Zクラス など ・Mクラスなど

 上記は一般的な例であり、航空会社はどのアルファベットをどのクラスに使用してもいいことになっています。同じアルファベットでも航空会社によってキャビンクラスが異なることがあるので、注意が必要です。

 このことから、予約クラスはどのキャビンクラスなのか確認が必要なのが分かりますね。

 

 今回は運賃の種類が公示運賃、非公示運賃があり、公示運賃にはキャリア運賃と言われるキャビンクラスごとに設定された沢山の予約クラスがあることを説明してきました。

 次は運賃の組み立てについての説明です。

 

 

今回のまとめ

運賃には大きく分けて「公示運賃」と「非公示運賃」がある
さらに公示運賃には「キャリア普通運賃「キャリア特別運賃」の2種類に分かれる
キャビンクラス毎にさらに細かい予約クラスの運賃がある

この記事を書いた人:

浜田(編集部/商品販売グループ)

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