今回も引き続き「経路規定」についてです。前回は昨今多く見受けられる複雑な経路規定を例に沿って、GDSと照合しながら解読しましたが、例の規定⑦の項目について読みといていきます。
前回では、主にアライアンス拡大により経路規定の情報量が多くなった具体例をあげて、JL便であってもJL運航便でないといけないのか、またはJL便がついていればコードシェア便でも利用できるのかなどを説明しました。
今回は下記の「⑦フェアコンポーエント内のサーフィスセクターは不可」について説明をしていきます。
上記の経路規定例では、①~⑥はどこの区間でどの航空会社を利用可能なのかが書かれていましたが、⑦は利用できる航空会社が書かれているのではなく、ある規定が明記されています。
サーフィスセクターとは
サーフィスとは以前に紹介しましたが、航空機以外の交通手段で移動する区間を一般的にサーフィスと呼びます。そして、サーフィスセクターは、OFCタリフでは運賃計算に含めて、航空旅行とみなして通し運賃に含めて計算されたサーフィスのことを言います。フェアコンポーネントの中間地点同士、またはサーフィスのどちらかがフェアコンポーネントの始点か終点の場合をいいます。ただし、運賃計算ユニットの始点、もしくは旅程の出発地点または、終点でのサーフィスセクターは不可能です。
≪不可の例≫
・運賃計算ユニットの始点、もしくは旅程の出発地点または、終点におけるサーフィス
TYO(サーフィス) OSA → HEL → LON → PAR → OSA → TYO
運賃計算ユニットの始点のサーフィスセクターは、運賃に含めて計算はできません。この場合、OSAを始点とした旅程で運賃計算をすることになります。また、復路のOSA - TYOがサーフィスの場合も同様に不可能です。
サーフィスセクターの種類
サーフィスセクターの定義が分かったところで、そのサーフィスセクターにも何種類かありますので、今回は説明に必要な種類をご紹介します。
エンベディッド サーフィスセクター(Embedded Surface Sector) :
国内サーフィス区間もしくは国際サーフィス区間の両端が、フェアコンポーネント内の中間地点であ るものです。また、インベディッドサーフィスセクター(Imbedded Surface Sector)とも言います。
フェアコンポーネントの中間地点同士
TYO → FRA(サーフィス) → PAR → LON → HEL → TYO
フェアブレイク サーフィスセクター(Fare Break Surface Sector) :
国内サーフィス区間もしくは国際サーフィス区間の端点のいずれかが、フェアコンポーネントの始点もしくは終点であるものです。
フェアコンポーネントの始点か終点
TYO → FRA → PAR(サーフィス) → LON → HEL → TYO
ワンポイント
「フェアブレイクサーフィスセクターは不可」の場合は、フェアコンポーネントの終点を一端とするサーフィスセクターはできません。サーフィスの区間を運賃計算に含めることはできず、オープンジョーの旅程として計算します
フェアコンポーネント内のサーフィスセクターは不可
「フェアコンポーネント内のサーフィスセクターは不可」とありますが、この場合は上記の「 インベディッドサーフィスセクター 」および「フェアブレイクサーフィスセクター」の両方が運賃計算には含めることができないことを表しています。よって、実際に飛行する経路のみを計算することになります。
今回の例は「フェアコンポーネント内のサーフィスセクターは不可」という条件でしたが、 「フェアブレイクサーフィスセクターは不可」という場合もあります。
GDSでは・・・・
では、GDSにはどのように登録されているのか見てみましょう。GDSはcat.09 TRANSFERの項目に書かれています。
≪フェアコンポーネント内のサーフィスセクターは不可≫
≪ フェアブレイクサーフィスセクターは不可 ≫
運賃の手配時にGDSを確認する時がありましたら、OFCタリフでは経路規定に書かれている条件だったなと思い出してください。
今回のまとめ
サーフィスセクターとは、航空旅行として通し運賃に含めて計算されたサーフィスのことを、OFCタリフでは言っている
サーフィスセクターには数種類ある
サーフィスセクターの条件はGDSではcat.09 TRANSFERに登録されている
この記事を書いた人:
浜田(編集部/商品販売グループ)